歯科医療は進化を続けています。
その顕著な例がCAD-CAMではないでしょうか。
いわゆる3Dプリンタを歯科治療の世界に持ち込んだという感じのものです。
これまで、虫歯など歯の修復を行う際は、型どりをして、1週間くらい立たないと冠ができないため、その関係で通院間隔も空いてしまうということがありました。
また、詰め物の場合もレジンとよばれる白いものはその日のうちにすぐに詰めることができますが、取れやすいという欠点がありました。
ところが、CAD-CAMでは型どりの必要はありません。
3Dの光学カメラで口腔内スキャンし、コンピュータに取り込みます。
そのデータをもとに3Dプリンタで詰め物やかぶせものを作っていくわけです。
素材もセラミックなので、天然歯に近いです。
また、型どりの場合は、型どりのための材料を歯から外すときに若干のゆがみができる可能性がありますが、これなら、ゆがみもありません。
2時間くらいで完成します。
また粘着力も高く、持ちもいいです。
1日のうちに治療を終える可能性があるのです。
このCAD-CAMの導入は、治療時間の短縮だけでなく、使われる材料の強度の進化とともに、早くて安心安全な歯科治療をもたらしました。
虫歯がエナメル質、象牙質を溶かしてしまい歯がズキズキと痛む場合、以前でしたら、神経にまで行ってますね。
神経を抜くしかないですね。
と歯科医師に言われてしまい、歯の神経の治療を始めるしかないのが常でした。
確かに神経を抜いてしまえば、歯そのものは二度と痛くなることはありません。
しかし現在では歯は一生ものと言う考えから、神経をできるだけ残す治療方法が選ばれています。
神経が残っている歯は、冷たいものでしみたり、虫歯になったりするリスクを伴いますが、神経のない歯は枯れ木と同じで、もろくなってしまいます。
歯そのものが弱くなってしまうと長年のかみ合わせで破折してしまったりします。
また神経があれば虫歯で痛みを感じますが、歯髄のない歯は痛みを感じないので、手遅れになるまで放置してしまう結果にもつながります。
歯は再生することのない一生ものの体の部位です。
近年の歯科医院ではそんな歯の寿命をできる限り延ばすための治療に取り組んでいます。